先日、お客様から次のようなお問い合わせをいただきました。
「今まで普通に使えていたOutlookを開いたらメールが見えなくなった」
「Outlookを起動すると初期設定画面が表示される」
「メールが全部消えてしまったのではないか?」
メールが使えなくなると業務への影響も大きいため、お客様もかなり不安なご様子でした。
早速調査を開始しました。
症状を確認
今回利用されていたのは Outlook Classic(従来版Outlook)でした。
実際に状況を確認すると、Outlookを起動しても今まで設定していたメールアカウントが表示されず、新規セットアップを求める初期設定画面が表示されていました。
この状態だけを見ると、
- メールアカウントが消えた
- メールデータが削除された
- Outlookが壊れた
と思ってしまいます。
しかし、詳しく調査すると別の原因が見つかりました。
Outlookのデータファイルが見つからない
まずはOutlookのデータファイル(PSTファイル)の保存場所を確認しました。
すると、本来保存されているはずのフォルダにデータファイルが見当たりません。
さらに調査を進めると、Outlookのデータファイルが別の場所へ移動していることが判明しました。
その移動先が「OneDrive」だったのです。
なぜOneDriveが保存場所を変更してしまうのか?
「OneDriveが勝手にデータを移動したの?」
と思われる方も多いかもしれません。
実は最近のWindowsでは、Microsoftアカウントでサインインした際やパソコンの初期設定時に、OneDriveの利用を促されることがあります。
その際にバックアップ機能を有効にすると、
- デスクトップ
- ドキュメント
- ピクチャ
といったWindowsの標準フォルダが、自動的にOneDrive配下へ切り替わります。
例えば本来であれば、
C:\Users\ユーザー名\Documents
に保存されるはずのファイルが、
C:\Users\ユーザー名\OneDrive\Documents
へ保存されるようになります。
利用者が意識していなくても設定が有効になっていることがあり、「今までと同じ場所に保存されている」と思い込んでいるケースも少なくありません。
なぜOutlookで問題が起きるのか?
通常であればOneDriveへ保存されても問題なく利用できます。
しかし、
- OneDriveの同期エラー
- OneDriveのサインアウト
- OneDriveの設定変更
- OneDriveのアンインストール
- 保存先フォルダの切り替え
などが発生すると、Outlookがデータファイルの場所を見失うことがあります。
するとOutlookはメールデータを読み込めなくなり、
「メールが消えた」
「初期設定画面が表示される」
といった症状が発生します。
実際にはメールデータそのものが削除されているわけではなく、Outlookが保存場所を認識できなくなっているだけの場合があります。
今回実施した対応
今回のお客様はOneDriveを利用していなかったため、以下の対応を行いました。
① Outlookデータファイルを元の保存場所へ移動
OneDrive配下へ移動していたデータファイルを、本来のユーザーフォルダ内へ戻しました。
② OneDriveを削除
今後同じ問題が発生しないよう、利用予定のないOneDriveをアンインストールしました。
③ Outlookのデータファイル設定を修正
Outlook側で正しいデータファイルを再設定し、メールデータを読み込めるようにしました。
結果
設定を修正後、Outlookを再起動すると今まで利用していたメールやフォルダが正常に表示されるようになりました。
幸いにもメールデータは削除されておらず、保存場所の問題だけだったため無事復旧することができました。
Outlookのメールが消えたと思ったら確認したいポイント
もし同じような症状が発生した場合は、慌ててメールアカウントを再設定する前に次の点を確認してみてください。
- Outlookのデータファイル(PSTファイル)は存在するか
- OneDriveのバックアップ設定が有効になっていないか
- ドキュメントフォルダがOneDrive配下になっていないか
- Outlookが正しいデータファイルを参照しているか
メールデータが残っている場合は、適切な設定を行うことで復旧できる可能性があります。
まとめ
今回のトラブルは、OneDriveのバックアップ機能によって保存場所が変更されたことがきっかけで発生していました。
最近のWindowsではOneDriveが標準で組み込まれているため、利用しているつもりがなくてもバックアップ機能だけ有効になっているケースがあります。
OneDriveは便利なサービスですが、業務用パソコンでは思わぬトラブルの原因になることもあります。
Outlookのメールが突然見えなくなった場合は、「メールが消えた」と判断する前に、OneDriveの設定やデータファイルの保存場所を確認してみることをおすすめします。

